設立の背景
近年、地域コミュニティの衰退やつながりの希薄化、社会的孤立は、独居や孤立死といった高齢者の問題だけでなく、子育て世帯や若年層を含めた全世代の問題となっています。
コロナ渦でこれらは悪化しました。
そのなかで、これまで地域コミュニティの核として機能していた神社や仏寺も、その機能を縮小しつつあるように思います。
代表の大森は宮司となり、すでに20年。たくさんの人達と関わるなかで、神社に訪れる人を待っているだけでは、幸せに生きるための力添えとして出来る事は限界がある、と感じるようになったのです。
名称について
”ヤシロ”は”社”の旧字体です。”社(ヤシロ)”は土地の守り神を表し、それを祭る村人の集まりを「会社」や「社会」といったことから、共通の目的や志を持つ集団や、集まって生活を営む集団のことをいいます。
社寺を中心として、東三河地域の方々が気軽に立ち寄り、集まれる場所づくりを目指す。それが社会(ヤシロカイ)です。
地域コミュニティの中で社寺が担う役割
本来、社寺は信仰や祈りの場所であり、日々の暮らしの中で祈りや感謝をするといった「生きる姿勢」を、人々に継続して浸透させていくことが使命です。
しかし現在、人々が社寺を訪れ、文化に触れる目的は様々です。
祈願や祈祷、神事、日常的な儀礼が身近な方達がいる一方で、初詣や厄除け、お宮参りや七五三、パワースポット巡りや御朱印集めなど、いわゆるライトに触れている方達も多くいらっしゃいます。
より多くの方達へ、社寺の魅力を伝え、気軽な体験プログラムを提供することで、それを切り口として、モノやコトの由来や意義に立ち返り、解説や翻訳を加える。
これを実践するのが、社会(ヤシロカイ)の役割です。
その体験を通して社寺を含む伝統文化や歴史への興味関心を呼び起こし、来訪、再訪へつなげ、結果として新たなコミュニティが形成されることが理想です。
東三河地域の神社にまつわる厳しい現状
東三河地域は海に囲まれ、山も川もある豊かな自然に恵まれた地域です。米や野菜、果物、魚、肉など、全国でも有数の生産地として知られています。しかし、6次産業化は進んでおらず、農家の高齢化や山林の放置問題など、地方で起こりうる農業地帯の問題が山積みになっている地域でもあります。
東三河地域の神社にまつわる厳しい現状
1.担い手不足
神社の数は、全国およそ8万近くあると言われ、日本で最も多い宗教的文化建築物の一つとなっています。しかし、神職の人手不足は深刻で、東三河地域でも私のように、一人の宮司が複数の神社の宮司を兼務する場合がほとんどです。
巫女の育成についても、このまま後継者が見つからなければ、この地域での巫女の存続も危うくなりかねません。
2.高齢化と人口減少
総代さんたちの高齢化により、境内の木を切るなどの管理作業が難しくなってきています。また、過疎化が進んで住民がこれ以上減ってしまえば、改修費や神主の給料となる氏子費が必要な分集まらなくなるかもしれません。
3.資金の問題
神社の維持管理は楽ではありません。主な収入源は氏子費や初穂料、お賽銭等ですが、社殿や設備の修理には多額の資金が必要です。担い手不足の大きな原因の1つがここにあります。
どんなに価値のある素晴らしい文化も、価値に対価がなければ存続できません。「伝統を守る」ためには、文化的な価値を生み出すとともに、それを提供し対価を得る、という努力が必ず必要になります。
東三河地域とは
東三河地域は豊川の流域圏として社会的・経済的一体性の強い地域です。当面の活動拠点は田原市と豊橋市を中心に考えておりますが、順に東三河地域全域を対象としていきたいと考えています。
※東三河地域…田原市・豊橋市・蒲郡市・豊川市・新城市・東栄町・設楽町・豊根村の5市2町1村